2008年11月30日

Fan Subs

最近、海外での日本の文化の人気などを紹介して来たけど、その人気をここまでにした要因の一つにファンサブというものがある。ファンサブというのはFan subtitleの略で、要するに日本語の知識があるファンによって、勝手に訳された作品のことだ。

こういった作品は90年代頃から、海外のアニメなどのファンなどがひっそりと始め、次第にファンをじわじわと増やし、そして最近の爆発につながる原動力となった。

ただこれらの訳は日本語を訳するのには適さない程度の語学力の人間がやっていることも多く、往々にしてかなりの誤りを含んでいた。けれども日本の作品を渇望しているものに取っては彼らの存在は神同然で、たとえばコミック版の「ナウシカ」7巻のうち最後の3巻を訳した訳者の元には、そうしたファンサブを神と崇めるファンなどから「あなたは訳を間違っている」といったメールが殺到したのだそうだ。

だがもちろん実際に間違っていたのは、ファンサブの方で、訳者によればそれは「笑えるくらい間違っていた」のだそうだ。だからその頃、そうしたファンサブは日本文化を広める一方で、とんでもないまがい物を紹介してもいたことになる。


そしてそれはファンサブにとどまらず、正規に契約を交わし、販売されたマンガや、アニメでも同様のことが起きていた。というよりもむしろこちらの方がひどい扱いを受けていた。

なんといっても当時は、買い取った作品の部分を勝手にカットしたり、全く関係のないBGMを挿入したりと、散々な扱いをすることが当たり前だったのだ。実際、映画版のナウシカも、最初に権利を買い取った会社によって勝手に編集がなされ、宮崎駿はそのことにかなりのショックを受け、そのバージョンの映画はナウシカではない、として以後忘れるようにとスタッフに語っていたのだと言う。(その後はもちろん、ちゃんとした会社に権利は移されたようだけれども)


そして最近動画サイト上で、その当時にやはりアメリカ版として吹き替えがされた日本のアニメを見たが、なんともやっつけ仕事。オリジナルの方は本当に日本の一流の声優(俳優)によって、すばらしい仕事がされているのだが、こちらのはおそらく適当に見つけて来た俳優達による仕事。

おそらくは彼らは仕事があまりない売れない俳優などであったりするのだろうけども、元のセリフから微妙に意味が変えられたりする上に、彼らの実力不足もひどい有様で、どうしても作品が劣化しているように思う。当時はまだアニメがそれほど人気がなかったから仕方がなかったんだろうが、日本の制作者がこれを見たらきっとがっかりしたことだろう。


例えばこれ。パトレイバーthe movie2でも最も大事な場面の一つ。日本版では自衛隊の内部調査を行っている荒川の声を竹中直人がつとめていて、その不気味な風貌に見事なまでにすごみを加わっていて、川井憲次の音楽とも相まって非常に印象的なシーンになった。(中国語の字幕付きのものしか見つからなかった・・・)





そしてこちらが英語版。何とも特徴のない声になっちまっているのがわかるだろう。しかも元のセリフにないもの、広島とかハリウッド・チューインガムウォーとかウォー・アゲインスト・ナチとかいろいろ入っている。「神がやらなきゃ、人がやる」の部分は、They must be stopped. That is our task.(やつらは止められなければならない。それが我々の仕事だ)にされている。






このように一昔前、日本の作品というのはこのようなひどい状況を耐えなければならなかったのだけれども、それを乗り越えてようやく最近はちゃんとした待遇を受けるようになって来た。

宮崎アニメともなればハリウッドの一流俳優が声をやるようになったし、あと他のテレビなどのアニメ作品も、これを見たら分かるように、最近はちゃんとした声優を使うようになっているようだ。

攻殻機動隊 Standalone complex 2nd gigよりIndividual 11「個別の11人」のシーンから。傷痍難民解放を訴える同士であるはずの「個別の11人」が、それにも関わらず難民を圧迫する手法を選んでいることに、「テロリスト」クゼが違和感と疑問を抱き、彼らから袂を分かち、やがて難民の独立運動のリーダーとなっていくきっかけのシーン。






ということで最近ではちゃんとした声優達が、吹き替えをやってくれているようなので、心配はない。だがそれでもマニアなアメリカ人視聴者の中には、「やっぱり吹き替えはダメだ、日本のオリジナルにちゃんと訳された字幕をつけたものが一番だ」と言い張る人も多くいる。

だがそんな彼らも全く吹き替えにケチを付けない作品がある。いや、ケチをつけないどころか、「これは日本のオリジナルより、英語吹き替えのほうが優れている!」とまで言い切っている。

その作品とは・・・

魁! クロマティ高校www

"How am I supposed to get back on him!"
もうやりかえしてるじゃねえかwww




posted by kseaiori at 18:56| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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